探査・計測・試験

室内試験(土質試験、岩石試験)

地質の持っている情報を実測して得る方法として、現地で行う「原位置試験」、ボーリングなどで採取された試料の「目視観察」による定性的情報と定量的な工学・力学的情報を得るための「室内試験」があります。
室内試験は、物理試験、力学試験と化学試験に分けられます。

原位置試験・計測
スウェーデン式サウンディング、簡易動的コーン貫入試験、オランダ式二重管コーン貫入試験、ポータブルコーン貫入試験、現場密度試験(砂置換、水置換)、平板積荷試験、傾斜計、収縮計、移動杭調査
原位置試験・計測には、ボーリング孔を必要としない試験・計測とボーリング孔を利用する試験・計測とがあります。ここでは、ボーリング孔を利用する試験類のうち標準貫入試験、孔内載荷試験とボーリング孔を必要としない試験類をサウンディングとして紹介します。ボーリング孔を利用した試験・計測は、一般的には孔内検層と呼ばれています。
地盤の深さ方向の抵抗値から原地盤の土の強度・変形特性を直接調査するもので、抵抗体をロッドなどで地中に挿入し、貫入、回転、引抜きなどの抵抗から土層の性状を調査する方法です。簡便さ、経済性の面から、地質概況を把握する目的で地質調査の中でも最初に行う調査、またボーリング調査の補足、補間調査として位置づけられています。 サウンディングは、静かに押し込む静的貫入試験と打撃で叩き込む動的貫入試験とに分けられます。

土質試験
土粒子の密度試験、含水費試験、粒度試験、液性・塑性限界試験、湿潤密度試験、収縮定数試験、遠心含水当量試験、強熱減量試験、有機物含有量試験、pH試験、締固め試験、透水試験、圧密試験、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、CBR試験

物理試験は土の物理的特性や性状を把握することを目的とした試験です。乱した試料でも試験ができます。試験結果は液状化の検討などに利用されます。
土粒子の密度試験、含水比試験、粒度試験、液性・塑性限界試験、湿潤密度試験、透水試験
力学試験は土や岩石の強さを把握することを目的とした試験で、乱してない試料が必要です。試験結果は地盤の支持力や圧密沈下の検討に利用されます。
圧密試験、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、締め固め試験、CBR試験
化学試験はpH、強熱減量、有機物含有量、腐植物含有量、六価クロム溶出試験などがあり、土壌汚染や地下水汚染などの環境問題、コンクリートや鋼材の劣化などを調べる試験です。

岩石試験
密度試験、吸水及び有効間隙率試験、含水率試験、安定性試験、ショア硬度試験、吸水膨張試験、X線解析試験、圧縮強度試験、静弾性係数試験、静ポアソン比試験、引張強度試験、超音波伝播速度試験、乾湿繰返し試験、スレーキング試験、破砕試験、三軸圧縮強度試験、岩盤せん断試験
土質と同様に物理試験と力学試験があります。岩石の物理的な挙動を説明するための材料の基本物性を把握することを目的とした試験です。
比重試験、密度試験、吸水率試験、含水量試験、有効間隙率試験、超音波速度試験、室内透水試験、熱的性質試験、スレーキング試験、吸水膨張試験、pF試験、凍結融解試験
岩盤の安定性を検討するとき、岩盤の示す力学的特性を把握することが重要になります。
一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、引張り試験、せん断試験

偏光顕微鏡観察

岩石の肉眼観察による鑑定では不充分であることが多く、地質踏査においては偏光顕微鏡観察が必要になります。

X線分析

粘土鉱物を含む岩石は含有する粘土鉱物の種類や含有量によってその物理的性質を異にすることが知られています。含水比の変化によって、強い膨張圧を示すことがあり、トンネルの覆土や路盤が変形・破壊することがあり、岩石中の粘土鉱物の定性的、定量的分析が必要になります。

地下水調査

地下水調査は、地盤の地下水位、流速・流向測定や間隙水圧・透水係数といった水理定数を把握し、構造物基礎の根切りの排水計画、湧水量の推定、地下水の影響予測などに利用します。地質や目的によって次のような調査法があります。
間隙水圧測定

盛土や構造物の沈下、安定性、地すべり対策、周辺地盤・近接構造物への影響、根切りの掘サク時の排水計画などを検討する際に必要なデータを得ることを目的に行います。
ボーリング孔を利用する方法で、ピエゾメーター法と電気式間隙水圧計による方法とがあります。
電気式間隙水圧の測定は、ボーリング孔底における飽和地盤の間隙水圧を得ることを目的としています。設置用ロッドの先端に取り付けた本体を、軟弱な粘性土の場合には孔底から測定深度まで押し込みます。また砂質土や硬質粘性土の場合には測定深度の孔底に降ろして、フィルター材で本体を埋め戻し、その上をさらにシール材で十分に遮水します。その後長時間放置して、間隙水圧が平衡状態になったときの値を原位置での間隙水圧とします。

現場透水試験

1本のボーリング孔を利用した地価水面下の飽和した砂質地盤の透水係数を求めることを目的に行います。試験孔内の水位を汲み上げ(回復法)または注水(注水法)によって変化させ、水位の回復状況から透水係数を求める非定常法と水位を一定に保つ定水位法とがあります。また試験区間の形状や地盤によって次のような方法があります。
 
試験区間の形状 単層系地盤 多層系地盤
試験孔の孔壁全体 オーガー法(非定常法の回復法、注水法)
測定用パイプの底面 チューブ法(非定常法&定水位法)
測定用パイプの先端部の孔隙 ピエゾメーター法(非定常法の回復法、注水法)
試験孔孔壁の一定区間 パッカー法(定水位法)

湧水圧試験(JFT)

岩盤の平衡水位と透水係数を求めることを目的に行います。水位測定管の底にセットされたバルブを瞬間的に開放し、測定管内を上昇する水位の変化と最終の平衡水位を求め、水位の変化から透水係数を検討します。
この方法は比較的透水性の良い岩盤に適用されることが多く、難透水性の岩盤では、特殊パッカーの閉鎖空間の微小な圧力変化を測定する方法や測定管内の水位をガス圧で強制的に変化させ、そのときの水圧変化を測定する方法が開発されています。

ルジオン試験

ダム基礎岩盤などの高水圧条件下での、岩盤の透水性の指標であるルジオン値を求め、限界圧力を知ることにより透水性調査に続くグラウチング計画を立案することを目的に行われます。
ボーリング孔内をパッカーで区切った試験区間内に一定圧力で注水し、圧力と注水量からルジオン値を求めることから、地盤条件や試験手順などによって、パッカーの位置・種類や試験区間の取り方などを決める必要があります。圧力と注水量は、P-Qレコーダーで自記記録させるものが主流になっています。

地下水流速・流向測定(地下水追跡調査)

開削工事やシールド工事など地下水への影響調査、汚染物質による地下水汚染や拡散予測には、地下水の流速と流向を把握することが重要になります。河川の流域全般や盆地といった非常に広範囲を対象とした水文学的分野の物理測定手法と地すべり地や汚染現場などの狭い範囲を対象とした工学的分野の孔内測定手法とがあります。
ここでは、孔内測定手法についてみていきます。多孔式は、投入孔と複数の観測孔が必要で、単孔式に比べてより広範囲な測定が可能である反面費用が高くなります。また単孔式は、測定範囲が極めて狭いため、砂や砂礫などの未固結堆積物の飽和滞水層がその対象です。いずれの方法にしても地質条件、試験の目的、試験孔の条件、既存資料などから推定される流速を充分検討して、測定方法を選択することが必要です。

トレーサー法

投入孔と周辺に配置した複数の観測孔からなり、投入孔に有機色素系、食塩やアイソトープをトレーサー材として投入し、観測孔でその到達時間を測定することによって、地下水の流速・流向を検討します。

水位測定法

同一滞水層を対象として設置された複数の観測孔で、水位を測定し流線網から流向を、透水試験の透水係数と水位から流速を検討します。

レーザー法、テレビ法

地下水中に浮遊する微粒子の軌跡をテレビカメラで追跡するテレビ法、レーザー光の干渉縞を横切る微粒子の周期から流速・流行を把握するレーザー法があります。

熱中性子検出法、電位差法

ホウ素濃度の経時的変化(熱中性子検出法)、または蒸留水や食塩の希釈状況を電気抵抗(電位差法)で測定し経時的変化から流速・流向を把握するものです。

熱量法

ヒーターによって加熱された地下水をトレーサーとして、温度センサーを用いてその移動を把握するものです。

水文調査

人類は文明社会を築くために、重要な資源として地下水や表流水を利用してきた。これら地下水や表流水などの「水に係わる様々な現象」を様々な調査手法と総合的な解析技術を用いて解析します。地下水調査は、地下水を資源として活用する立場と障害の対象とする立場があります。前者は貯留量、供給源、水質、挙動、収支に関する調査が必要であり、後者は地すべり、地盤沈下、漏水、塩水化や工場などからの排水する汚染水の地下浸透、それらの因果関係を明確にするなどの調査が必要になります。こうした立場から水文調査は、水文解析・地下水解析、土木水文調査、地下水・土壌汚染調査に大きく分けられます。

水文解析・地下水解析

地下水障害や地下水汚染等を回避または低減するためには、対象地域の地下水の賦存形態や流動機構といった地下水の状況を十分に把握する必要があり、それらに基づいた適切な予測や検討が重要になります。
水文解析・地下水解析では、揚水試験によって算定される限界・適正揚水量を始め、透水量係数、透水係数、貯留係数といった水理定数、漏水係数や影響圏半径等が検討されることから、とくに正確な揚水試験をすることが重要になります。水理定数は、掘サクした揚水井の状態を判断するばかりでなく、周辺地域の水理地質情報を提供してくれますので、新たに揚水井を計画する場合の掘サク深度・仕上げ孔径・可能揚水量などを検討する際の基礎データに、また建設工事現場での排水計画をするときの重要な指標になります。

揚水試験

揚水井においては、設置した水中ポンプの能力いっぱいの揚水をすることができます。しかし、揚水量の増加と共に水位降下量も大きくなり、近隣の他の揚水井の自然水位を下げたり、周辺の滞水層中の砂や礫を動かして滞水層を破壊するなどの影響を与えることになります。揚水試験は、広い範囲の地盤の透水性(水理定数を検討する)や影響半径を検討して、掘サク工事における地下水圧の軽減、湧水防止、近隣地盤の沈下防止や揚水井への影響など排水工法の設計に用いられます。
伸縮計・・・ 地すべり頭部を中心に不動地と移動土塊の境界に亀裂が生じます。この亀裂をはさんで、伸縮計を設置し、移動量を測定することによって、地すべりの移動量と移動速度を測定し、地すべりの滑落時間を推定し、場合によっては下方の住民に避難を促すことができます。
傾斜計・・・ 元来、地盤は独自の回帰性のある傾斜運動(基底変動)をしています。一方、地すべり地では周期性のない、傾斜量の大きな傾斜運動をしています。地すべり地塊で見られる地表変動は、地盤の傾斜運動と地すべりによる変動(傾斜運動)が合わさって表れることになります。傾斜計を設置し、傾斜変動量を測定することによって、潜在的な地すべりがあるか、地すべりが発生している可能性があるか、活発化しているかなどを知ることができます。
測 量・・・ 地すべり範囲の規模が大きな場合や地すべり地内が多くのブロックに分割されている場合、個々のブロックの移動方向・移動量や相互関係を把握することが困難であることがあります。この場合には、地すべり地外の不動地に固定点(基準点)を設けて、三角測量によって各地表面の移動方向や移動量を観測することがあります。
限界揚水量・・・ 滞水層からの補給量よりも汲み上げ量が多くなる揚水量。段階降下試験時のsw-Q曲線図において、45°になる揚水量。比湧出量が最も大きな値のときの揚水量。
適正揚水量・・・ 滞水層からの補給量と汲み上げ量とがバランスの取れた揚水量。段階揚水試験で、降下曲線と上昇曲線とが一致する揚水量で、非可逆関係の地層の場合には汲み上げ量に対して補給量が少ないことから適正揚水量は求められない。
比湧出量・・・・・ 水位降下量1m当たりの揚水量。比湧出量が最も大きな値のときの揚水量は、滞水層からの補給量が最も大きいこと、滞水層にとって最も効率の良いことを意味しており、限界揚水量に相当します。滞水層の効率評価を意味しており、地域の他の揚水井と比較する指標になります。

揚水試験の定義

揚水試験は、目的によって、段階揚水試験(Step Drawdown Test)と滞水層試験(Aquifer Tast)とに区分されています。
 
段階揚水試験は、「揚水量を数段階に分けて揚水し、そのときに起きる滞水層中の水位低下が安定すると、次の揚水量に変えて揚水し、再び水位が安定するまで揚水を行う」と定義されています。このように段階揚水試験は、限界揚水量、適正揚水量、比湧出量などを求めることを目的としている試験であり、井戸の評価試験とも言われています。またこの方法は、揚水量を段階的に増加させる「段階降下試験」と段階的に減少させる「段階上昇試験」とがあります。
 
滞水層試験は段階揚水試験の結果求められた「適正揚水量または限界揚水量で長時間の揚水を行う」と定義されています。この方法は、滞水層の水理定数(透水量係数、透水係数、貯留係数、漏水係数等や影響圏の大きさを求め、滞水層境界を推定することを目的とした揚水試験であり、揚水時の水位を測定する「連続揚水試験」と揚水停止後の水位の上昇を測定する「回復試験」とがあります。
揚水試験の方法をまとめると、次のようになります。

揚水試験の手順

揚水試験は次の手順で行われることが多い。
(1) 予備揚水試験 本試験に先立って段階降下試験を実施し、大略な限界揚水量を把握する。
(2) 段階降下試験 大略な限界揚水量を挟んで、4~7段階の揚水量に分けて、段階的に増量揚水し、そのときの水位を測定する。
(3) 段階上昇試験 段階降下試験終了と同時に、揚水量を4~7段階の揚水量に分けて、段階的に減量 揚水し、そのときの水位を測定する。このときの揚水量は、降下試験時よりも多少の差をつけることが望ましい。
(4) 連続揚水試験 限界揚水量または適正揚水量で、長時間(約8~24時間)の連続揚水を行い、このときの水位を記録する。
(5) 回復試験 連続揚水試験終了と同時に、揚水を停止し、水位の回復状況を測定する。
以上の試験手順のうちから必要に応じて、(2)、(3)を繰り返して実施し、より正確な限界揚水量または適正揚水量を把握する必要があります。

揚水試験の解析法

揚水試験で得られた諸試験の結果は、地下地質の状況、周囲の地下水の排出機構および滞水層の水文学的性質を反映しており、試験結果は様々なパターンを示しています。これらは大きく次のように区分されます。
1) 地下地質・・・・・・ 難透水層の被覆層を持たない自由面(不圧)地下水の場合(1-a) と被覆層を持っている被圧地下水の場合(1-b)とがあります。
  1-a・・・・・・・・・ 自由面(不圧)地下水の場合には、周囲からの誘導補給が活発に行われますが、垂直漏水は行われません。
  1-b・・・・・・・・・ 被圧地下水の場合には、1-aと逆に周囲からの誘導補給が少ない代わりに、上位滞水層からの垂直漏水補給が活発に行われます。
2) 排出機構・・・・・・ 段階揚水試験の結果を縦軸に水位降下量(sw)を、横軸に揚水量(Q)をプロットしますと、次の二通りの段階揚水試験図が得られます。
  2-a・・・・・・・・・ 段階降下曲線と段階上昇曲線とが一致した可逆関係にある場合。
  2-b・・・・・・・・・ 段階降下曲線と段階上昇曲線とが一致しない非可逆関係にある場合。この可逆関係のある場合には、周辺に補給境界1)があり、非可逆関係の場合には難透水性の非排出境界2)があることを示しています。
  補給境界1)・・・・・ 比較的大きな透水性または貯水能力をもつ滞水層、たとえば滞水層の水位が河川、湖沼、海岸等の地表水体と密接な関係にあって、揚水中にそれらから誘導補給が起こるとき、地表水体の水位が低下しなければ、それに沿って水位降下のない境界ができる。この境界を補給境界(Recharge Boundary)と呼んでいます。
  非排出境界2)・・・ 地下水の流れを妨害する不透水性の壁、たとえば断層、埋没河谷の不透水性の壁、滞水層の岩石学的性質の相違による透水性の顕著な低下や現象等で透水性が横方向に不連続である場合には、不透水性の壁から揚水井に向かって地下水が流入されない。この境界を非流出境界(No-flow Barrier)と呼んでいます。
3) 水文学的性質・・・ 連続揚水試験結果を見ると、ある時間から水位降下が起こらなくなり、水位が安定する場合(3-a)と長時間にわたって水位が安定しない場合(3-b)とがあります。
  3-a・・・ 地下水位が安定して、平衡状態の場合。
  3-b・・・ 地下水位が安定しない、非平衡状態の場合。
揚水試験結果が、地下地層の状況、周囲の地下水の排出機構および滞水層の水文学的性質などを反映していることから、水理定数の解析にあたっては、これらの成立条件を満足した解析式が提案されています。
1) 自由面(不圧)地下水の場合(1-a)
平衡状態(3-a)・・・Thiem式
非平衡状態(3-b)・・・Theis式 Jacob式
2) 被圧地下水の場合(1-b)
平衡状態(3-a)・・・Jacobの標準曲線法
非平衡状態(3-b)・・・Waltonnの標準曲線法 Hantush式
3) 被圧地下水でかつ境界を持つ滞水層の場合(1-b&2-a、1-b&2-b)
平衡状態(3-a)・・・Rorabaugh式
非平衡状態(3-b)・・・Stallmanの標準曲線法
成立条件によって様々な解析法が、提案されていることから解析にあたっては、その成立条件に適した方法を採用しなければ意味のない解析になるばかりでなく、貴重な自然からの財産を失う結果にもなりかねないことになります。したがって、しっかりした揚水試験を行うことがまず必要になります。

土木水文調査

建設工事現場における地下掘サクが地下水および表流水に与える影響、予測評価、対策の検討を行います。
ここでは、地下水位、河川流量、湧水量、水質、気象状況の把握といった水文調査、井戸、湧水、河川、ため池等の利用状況の水利用の実態調査、さらにこれらのシミュレーション解析結果に基づいた掘サクに伴う湧水量の発生、湧水量の減少、地盤の沈下量、地下水位の低下範囲および低下量、井戸枯れ、地下水流動障害の発生状況等の予測評価、原因究明などを検討します。

物理探査

地価に地盤がどのような性質でどんな状態なのかを様々な物理的現象を使って、間接的にその物理的性質や状態を地表から調査しようというものです。ボーリング孔を利用した物理探査は、一般的には物理検層として区別しています。
方法 物理現象 測定項目 主な利用




音波探査 音波 反射係数 海底地盤構成
表面波探査 弾性表面波 伝播速度 浅部地盤構成、物性
浅層反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成
常時微動測定 地盤震動 卓越周期 地盤特性
弾性波トモグラフィ 弾性実体波 弾性波速度 詳細地盤構成、物性



比抵抗法 電流・電位差 見掛け比抵抗 地盤構成・地下水
電位法 自然電位 電位差 変質帯判別
IP法 電気分極 周波数効果・充電率 熱水変質帯判別
比抵抗トモグラフィ 電流・電位差 見掛け比抵抗 詳細地盤構成・地下水



MT法 電流・電位差 見掛け比抵抗 深部地盤構成
地下レーザー 電磁波 反射係数 深部地盤構成
電磁波トモグラフィ 電磁波 電磁波速度・減衰 詳細地盤構成



屈折法 弾性実体波 弾性波速度 地盤構成、物性
反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成


磁気探査 静磁気・地磁気 磁気異常 磁性物質分布
重力探査 重力 重力異常 地質構造
放射能探査 放射能 放射線強さ 断層
地温探査 地中熱 地中温度 水みち

弾性波探査(屈折法弾性波探査)

弾性波探査は、地表付近、地中または水中で火薬(ダイナマイト)などによって人工的に弾性波を発生させ、P波あるいはS波が直接または物性の異なる境界で屈折や反射して地盤を伝わってくる状況を、地表に設けた測定装置で観測し、伝わる時間差(掃除)から地盤の弾性波速度構造を検討します。
震源から出たP波が地層を伝播して観測点に到達する屈折波の伝播速度を測定し、走時曲線を作り、はぎ取り法によって地層構成を推定します。すべり面のような薄層の位置を正確に把握することは困難ですが、破砕帯や基盤岩の形状および特性を把握するのには適した手法です。

電気探査(比抵抗法)

電気探査は、地層の電気的性質の相違を測定することによって、地下構造や地層の性状を推定する方法です。人為的に地下に電気を流し、地盤の電気比抵抗分布を測定する方法を電気探査比抵抗法として多用しています。この方法は、地盤の見掛け比抵抗分布を求めることにより、粘性土層、砂礫層、風化層の厚さや基盤岩の形状などを推定し、その結果から地下水を含む滞水層の厚さや分布深さ、地すべり層の厚さや形状の判定などを目的に行います。
比抵抗法には水平探査と垂直探査があります。水平探査は水平方向の地層構造の変化を推定するもので、測定して得られた各側点の見掛け比抵抗と電極間隔の曲線図をまとめ、各深度ごとの比抵抗を算定します。
垂直探査は測定した見掛け比抵抗から探査曲線図(ρ-a曲線図)を作り比抵抗の深さ方向の変化を見ます。  地盤の見かけ比抵抗は、測定電極の間隔や電極の配列などによって異なるため、電気探査では調査の目的、対象、探査深度などの条件によって様々な電極配置が採用されています。一般的にはWenner(ウェンナー)法やSchlumberger(シュランベルジャー)法が採用されています。

高密度電気探査(比抵抗法二次元探査)

比抵抗法二次元探査は、探査技術とコンピュータ技術の進歩に伴って開発された調査法であり、費抵抗法垂直探査と従来の比抵抗水平探査とを組み合わせることで、より高密度の解析を可能にした調査法です。二次減反作法には、比抵抗影像法と高密度電気探査法があり、電極配置も調査目的や条件によって2極法、3極法、4極法があります。
解析は、コンピュータによる逆解析手法が用いられています。

自然放射能探査

地下の断層や亀裂を通して、ラドンやトロンなどの放射性気体が地上から散逸しています。これらの放射性元素を地上で計測し、その量が多い地点の地下には断層、亀裂帯や破砕帯が存在する可能性が高いと推定するものです。
地表面を10mm程度掘り、サーべーメーターのプローブを立て、10秒間隔で5~10回メーターを読み取り、その平均値で表わします。

放射能探査

一般に地殻中の断裂系(開口性割れ目)を通じて、ラドン、トロン等の放射性気体が上昇してくることはよく知られていますが、放射性核種の崩壊系列の中から、測定が容易で空気中の飛程も約100mの214Bi(ビスマス)をγ線の放射エネルギースペクトル分析法により測定し、間接的にラドンを追跡します。
また、地球科学的な解析を助けるために、208Tl(タリウム)と40K(カリウム)を同時に測定する三核比法が開発されています。
 
調査法は、調査地全域をカバー出来るよう、公道および敷地内に移動観測の測線を設置します。カーボーンによる移動観測は、探査精度、探査効率を考慮して、原則的に自動車を速度3~4㎞/hで走らせ、測定時間7秒毎に測定値をプリントアウトします。5データ移動平均値を採用する場合には、1移動平均値は約20~40mの測定値になるようにします。
開口性割れ目では、地層から移行するラドンの一部が上昇する通路となり、通過したラドンは表層に達します。開口性割れ目でのγ線の増加現象は、214Biのみに現れ、208Tlの増加はほとんど認められません。上述の現象から、開口性割れ目の位置はこの方法で214Biの急増する地点として見出されます。
移動観測で測定された214Bi、208Tl、40Kのデータは、岩種、地層および地殻変動に関連した地球化学的データとして処理され、統計学的にいわゆる地球科学的異常を抽出する基本的手法として、頻度分布に関する解析を行います。
一般に等質な母集団に属する地化学データの統計分布は、正規分布で近似しうる場合が多く、「岩質によるバックグランド」、「鉱化変質による地科学異常」および「断裂系による開口性割れ目異常」などのような二種類以上の単元母集団で構成される複合母集団では、一般に正規分布を示さず、複数単元母集団の累積頻度分布として示されるので、これを分解して「断裂系による開口性割れ目異常」の単元母集団を抽出します。また、移動観測で測定された214Bi、208Tl、40Kのデータは、地表部の条件・人為的条件・気象条件などを除去するために相互の比(214Bi/40K, 214Bi/208Tl)をとり、さらにこれらについて前(Fw)および後ろ(Bw)5点の平均値をそれぞれ求め、その測点の値との変動率により解析を行います。
γ線異常の判定基準については絶対的な値が設けられておらず、調査地域の地質構成や測定条件などにより異なってきます。たとえば、解析の結果は以下のような判定基準を設けますが、始点および終点付近は観測点が不足します。通常、異常値としては、50%未満で現れることが多いようです。
開口性割れ目では、地層から移行するラドンの一部が上昇する通路となり、通過したラドンは表層に達します。開口性割れ目でのγ線の増加現象は、214Biのみに現れ、208Tlの増加はほとんど認められません。上述の現象から、開口性割れ目の位置はこの方法で214Biの急増する地点として見出されます。
移動観測で測定された214Bi、208Tl、40Kのデータは、岩種、地層および地殻変動に関連した地球化学的データとして処理され、統計学的にいわゆる地球科学的異常を抽出する基本的手法として、頻度分布に関する解析を行います。
一般に等質な母集団に属する地化学データの統計分布は、正規分布で近似しうる場合が多く、「岩質によるバックグランド」、「鉱化変質による地科学異常」および「断裂系による開口性割れ目異常」などのような二種類以上の単元母集団で構成される複合母集団では、一般に正規分布を示さず、複数単元母集団の累積頻度分布として示されるので、これを分解して「断裂系による開口性割れ目異常」の単元母集団を抽出します。また、移動観測で測定された214Bi、208Tl、40Kのデータは、地表部の条件・人為的条件・気象条件などを除去するために相互の比(214Bi/40K, 214Bi/208Tl)をとり、さらにこれらについて前(Fw)および後ろ(Bw)5点の平均値をそれぞれ求め、その測点の値との変動率により解析を行います。
γ線異常の判定基準については絶対的な値が設けられておらず、調査地域の地質構成や測定条件などにより異なってきます。たとえば、解析の結果は以下のような判定基準を設けますが、始点および終点付近は観測点が不足します。通常、異常値としては、50%未満で現れることが多いようです。

異常値の判定基準
正異常値(開口性異常値) 負異常値(閉口性異常値)
   ≧75% 強(A)    ≧75% 強(A)
75> ≧50 強(B) 75> ≧50 強(B)
50> ≧30 50> ≧30
30> ≧20 30> ≧20

電磁波探査(CSA・MT法)

CSA・MT法は、電磁探査の一種であり、電気探査と同じように大地の比抵抗分布を把握することにより、地下構造を推定することができます。MT法が自然の電磁場を信号として用いるのに対し、CSA・MT法は人工的な信号源を用いる手法です。人工信号源を用いるので信号が安定しており、作業能率を高められるという利点があります。
探査深度は地層の比抵抗と測定する電磁波の周波数に依存し、比抵抗を一定とすれば周波数が低くなるほど調査対象深度は深くなります。電気探査では探査深度を深くするために電極配置を広げる必要があり、広い敷地を要しますが、CSA・MT法では狭い測定場所でも深くまで測定できます。したがって、山地や谷部あるいは限られた敷地内での調査にも対応でき、温泉、地下水の調査はもちろん土木関連の調査にも利用されています。

≪主な特徴≫
(1) 地下深層部までの比抵抗分布を把握でき、地層の透水性などについて評価できる。
(2) 電磁波の周波数を低くすることで探査深度を深くできるので、狭い敷地でも深層部まで探査できる。

測定結果は、測定地点毎の周波数(Hz)と見かけ比抵抗の関係を対象目盛で表示し、これを解析して比抵抗柱状図を求めます。各測点の解析結果から測線毎の比抵抗断面図あるいは深度毎の比抵抗平面図を作成します。

地中レーダ法

この方法は、発信した電磁波が空洞や埋設物等の探査対象物に当たって戻ってくるまでの時間を測定して、探査対象物の場所や距離を探知するものです。電磁波の周波数を変えることによって地下4~5m程度までの探査が可能ですが、波長が短いほど探査対象物の識別能力が高くなりますが、探査深度が浅くなってしまいます。したがって、数10cm大の探査対象物を探査する場合には、探査深度が1.0~1.5m程度しか得られなくなります。

表面波(レイリー波)探査法

地表の振源(起振器)から発振した振動を同じく地表に設置した受振器群(2~3個)で観測して、直達波と探査対象物に反射した屈折波の到達時間を読み取り速度構造を解析するものです。
表面波探査では、振源をハンマーによる打撃やバイブレーターなどにより人工的に弾性波を発生させることから、不発弾探査等には不向きな探査法です。

電磁法探査(EM61)

この方法は、地中レーダ法と同じ電磁波を使い、地中の埋設物等の探査対象物を探査する方法です。地中レーダ法より深い深度までが探査できる利点があります。